(公証人連合会PDFのやさしい解説/詳しい操作はPDF参照)
この記事は、公証人連合会の公式資料「マイナンバーカードでPDFに電子署名する手順(v1.2)」の解説記事です。詳しい画面手順・ボタン名は必ず公式PDFを見てください(本稿は"全体の流れ""ハマりやすい所の注意""実務のコツ"を補足する目的です)。
PDF:マイナンバーカードでPDFに電子署名する手順(v1.2)
まず結論(最短で要点)
- 実務で使うのは印鑑付きのPDF電子署名(=PDFに直接署名)。これを行うには Adobe Acrobat Pro(32bit)+PDF署名プラグイン(無料) が必要で、プラグインはWindowsでしかインストール不可。
- Acrobatは無料期間があるが、自動継続課金。使い終わったら自分で解約を忘れない。
- 署名後にAcrobatで「この製品では、検証はできません。」と出るのは仕様。SignedPDF側に検証機能がないためで、署名自体は付いている(PDF手順どおりでOK)。提出先の要件は各自確認を。
補足:XML形式の電子署名はAcrobatなしでも作れますが、使いどころが限定的。契約書や公証など一般的なワークフローではAcrobatでのPDF署名が現実解です(本PDFもPDF署名のみを対象)。
準備するもの(PDF準拠)
- Windows PC(推奨):PDF署名プラグインがWindowsでしかインストール不可。
- マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効)
- 対応ICカードリーダー(JPKIの対応表を参照)
- Adobe Acrobat Pro(32bit版)(無料期間あり/終わったら解約を)
- PDF署名プラグイン(SignedPDF 署名機能限定版/無料):登記・供託オンライン申請システムからダウンロード。
- JPKI利用者クライアントソフト:カード・リーダー動作確認に使用。
目次(この記事の流れ)
- なぜAcrobatが必要?無料期間の注意点
- インストール〜初期設定(PDFの手順を"つまずき予防"視点で要約)
- 実際の署名(ドラッグ→暗証番号→保存まで)
- よくあるつまずき(裏表/再起動/暗証番号)
- 実務運用のコツ(無料期間の使い方、事前チェック)
- FAQ(Readerでできる?32bit必須?検証エラー?)
なぜAcrobatが必要?無料期間の注意点
- 印鑑付きのPDF署名はAcrobat Proが前提。32bit版に署名プラグインを入れて使う構成です。
- Acrobatには7日間の無料期間が用意されていますが、期間前に解約しないと自動的に料金請求が始まります。使い終わったら解約を忘れずに。
インストール〜初期設定(PDFに忠実に/要点凝縮)
画面やボタン名はPDFを見ながら進めてください。ここでは"なぜそれをやるのか"まで含めて要旨を並べます。
1) ICカードリーダーをセットアップ
メーカー手順どおりドライバを入れて、後でJPKI利用者ソフトの「動作確認」で読めるかを確認します。
2) Acrobat Pro(32bit)を導入(無料期間を開始)
Adobeアカウントでサインインし、32bit版Acrobatをインストール。無料期間は自動継続課金なので解約管理を。64bitが必要なら一度32bitをアンインストールして入れ替えます(ただし署名プラグインは32bit対応)。
3) PDF署名プラグイン(SignedPDF 署名機能限定版)を導入
登記・供託オンライン申請システムのダウンロードページから入手→指示に従いインストール→PC再起動。これでAcrobatがマイナンバーカード署名に対応します。
4) JPKI利用者クライアントソフトを導入
公式ポータルからWindows版を入れて、動作確認でカード・リーダー・証明書が正常かチェック。ここでエラーならAcrobatに行く前に解決。
5) Acrobatの事前設定(ここが"つまずき"ポイント)
- メニューバーが出ないとき:左上メニューから「新しいAcrobatを無効にする」→再起動で従来メニュー表示に。
- 保護モードをOFF:編集 → 環境設定 → 一般 →「起動時に保護モードを有効にする」のチェックを外す(保護モード中はリーダー等にアクセス不可)。
- 署名方式を「Signed PDF」に:編集 → 環境設定 → 署名 → 詳細 → デフォルト署名方法「Signed PDF」。さらに編集 → 環境設定 →「Signed PDF」→「公的個人認証ICカード」→「設定」で署名者情報(氏名・署名地・理由)の既定値を登録。
実際の署名(操作の肝だけ把握)
細かな画面はPDFの該当ページを見てください。
- 署名したいPDFをAcrobatで開く → ツール → 証明書 → デジタル署名。
- 署名欄に合わせてドラッグで枠を作る。
- マイナンバーカードを正しい向きでカードリーダーへ(裏表の差し間違いは"あるある")。
- 署名用電子証明書の暗証番号を入力(6~16文字、数字+英大文字混在。4桁の利用者証明パスワードとは別)。
- 保存して完了。画面に印影(丸印)が入る。
署名直後に「この製品では、検証はできません。」と出てもそのままでOK。 Acrobatは本来「署名+検証」を同時に行いますが、SignedPDFは検証機能を持たないために表示されるメッセージです。署名は付与済みです。提出先の検証要件は各自確認してください。
よくあるつまずきと対処
- カードを読まない:最初にJPKI利用者ソフトの「動作確認」で切り分け。裏表の差し込みミスが定番。
- 意味不明なエラー:実務上はWindows再起動で直るケースが多い(経験則)。
- 暗証番号エラー:署名用は6~16文字/数字+英大文字混在。4桁の利用者証明パスワードと混同しがち。ロックしたら役所で解除が必要。
- 印影を変えたい:編集 → 環境設定 →「Signed PDF」→「PDF印影情報」から変更可能。
実務運用のコツ
- 無料期間のうちに署名作業をまとめて完了 → 解約忘れ防止。
- 事前にJPKIの動作確認でハード/証明書の生死をチェック。
- 先方に提出する際は、Acrobat+SignedPDFで付与した旨を一言添えると先方の確認がスムーズ。
FAQ
Q1. Acrobat Reader(無料版)だけでできますか? A. できません。Acrobat Pro(32bit)+PDF署名プラグインが前提です。
Q2. 32bit版が必須なのはなぜ? A. 署名プラグインがAcrobat(32bit版)にしか対応していないためです。
Q3. 署名後にAcrobatで"検証できません"と出ます。失敗ですか? A. 失敗ではありません。SignedPDF側に検証機能がないための表示で、署名は付与済みです(提出先の検証要件は各自確認)。
Q4. Macでもできますか? A. 本PDFの手順はWindows推奨(プラグインがWindowsでしかインストール不可)。Windows環境での実施が現実的です。
まとめ(コピペ用ハイライト)
- 印鑑付きPDF署名の現実解=Windows+Acrobat Pro(32bit)+PDF署名プラグイン+JPKI。
- 無料期間を賢く使い、解約は自分で確実に。
- 「検証できません」表示は仕様。署名は付いている。提出先の要件は念のため確認。